介護のお仕事を無資格・未経験からはじめる方法【入門からキャリアアップまで】

就職・転職

この記事はこんな悩み・疑問にお答えします

介護に無関係な異業種で、10年以上やってきた。色々あって、無資格・未経験でも働ける所があれば、介護のお仕事を、今すぐにでもはじめようと考えてる。ただ、これまで介護の業界に、まったく興味がなかったから、「どんな働き口があるのか」とか、まったくわからない。介護のお仕事をはじめるのに、知っておくべきことがあれば、全部おしえて欲しい。

こんな悩み・疑問がある方にもおススメです

介護のお仕事って、実際はどのくらい稼げるのか、おしえて欲しい。テレビとかネットだと、「給料は低いのに仕事はキツい」って言われてるし。最低でも、年収400万円は稼ぎたい。
介護のお仕事って、どうやって探せばいいのか、おしえて欲しい。転職サイトを使うのがいいって聞くけど、よくわからない。転職サイトで本当に働き口が見つかるのかな…。
介護のお仕事って、どんな資格が必要なのか、おしえて欲しい。でも、資格が取れるまでに時間もかかるし、お金もかかるんでしょ。できれば、短期間で、お金を掛けずに資格をとりたい。

この記事を書いた私の実績・経歴は、こんな感じです

  • 福祉系の大学院卒で介護の実務は13年以上。
  • 介護福祉士・社会福祉士・修士号(社会福祉学)を所有。
  • 介護業界の転職歴は2回(20施設以上で面接して内定率は80%)。

【入門編】介護のお仕事を無資格・未経験からはじめる

【入門編】介護のお仕事を無資格・未経験からはじめる
入門編では、介護のお仕事をはじめる前段階で、あなたが気になることについて、解説します。

これを読んでおけば、初級編からの内容が理解しやすいです。

介護のお仕事は絶対になくならない

近い将来、ICT(情報通信技術)やAI(人工知能)の技術が進歩し、これらの技術に奪われるお仕事があります

一方で、介護のお仕事は絶対になくなりません。

今後は、

  • ICTやAIに奪われる業種か
  • ICTやAIに奪われにくい業種か

この二点が、お仕事さがしの前提条件・判断基準になると思います。

2050年までに、日本人の人口は9500万人に減ると言われてます。

人間にかわる技術として、国をあげてAIの技術革新にチカラを注いでいます。

第四次産業革命ってやつです。

でも、介護のお仕事は、3K(くらい・きつい・きたない)と思われがちですが、AIに奪われない強い仕事・業種になっていきます。

人間にかわってロボットは介護できないし、これから増える認知症の対応もできません。

今後は産業として、地位・権威性は高まっていくことが予想されます。

介護のお仕事は常に求人募集をしている

この点は、有効求人倍率で考えると、わかりやすいかも知れません。

有効求人倍率とは、日本で使われてる指標のひとつで、数字は「〇倍」って表現されます。

この「〇倍」が、1より大きければ、お仕事を探してる人より、雇ってくれる会社の方が多いことを意味します。

1より小さければ、お仕事を探してる人より、雇ってくれる会社の方が少ないので、働けない人が多い状態です。

なので、有効求人倍率は、1より大きいに越したことはありません。

日本の全業種の有効求人倍率は「1倍」で、介護の業界は「3倍」です。

介護業界の人手が圧倒的に足りてません。

需要に供給が追い付いていません。

ICTやAIに奪われないお仕事だし、人手不足だから雇用されやすい状況です。

【社会福祉法人限定】介護のお仕事はほぼ倒産しない

これは会社の運営母体が、「社会福祉法人」の場合に限定されますが、ほとんど倒産することはありません。

「ほとんど」というのは、ずさんな経営をしていて、倒産した社会福祉法人があるからです。

しかし、万が一にも倒産した場合は、老人ホームのような入居者さんのいる施設は、倒産したあとに住む場所がなくなるので、行政や別の社会福祉法人が施設を運営する形になるため、実質倒産はありません。

でも、会社の運営母体が株式会社の場合は、あっちこっちで倒産しまくってるので、働く場所を探すときは、運営母体の法人格はみておいた方がいいです。

どんな働き口が介護のお仕事にはあるの?

介護のお仕事といっても、介護をする対象者や場所によって、働き口は変わりますが、代表的なものを挙げるとこんな感じです。

わかりやすくまとめたいので、法律による厳密な区別はスルーしてます。

高齢者を介護する

  • ホームヘルパー(訪問介護)
  • デイサービス(通所介護)
  • 老人ホーム(グループホーム・小規模多機能施設・特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・有料老人ホーム)

障害のある方を介護する

  • ホームヘルパー(訪問介護)
  • デイサービス(通所介護)
  • 入居施設(グループホームなど)

こんな感じです。

働き口を選ぶときのポイントは、「夜勤のある・なし」です。

夜勤のできる方なら、働き口としては、明るい時間に働くのがメインな、ホームヘルパーやデイサービスのほかに、夜勤もある老人ホームや入居施設も選択肢に入ります。

夜勤をすれば、夜勤手当がつくので、給料も増えます。

あなたの事情で夜勤が厳しい場合は、夜勤がないホームヘルパーやデイサービスが選択肢になります。

ただ、夜勤手当はつかないので、その分の収入はもらえません。

とはいえ、「無資格・未経験だし、夜勤できないから働けないのでは?」ということは、まったくありません。

どこもかしこも、人手は足りていません。

介護のお仕事ってどのくらい稼げるの?

コツコツと現場での経験を積み上げつつ、資格(実務者研修・介護福祉士・ケアマネージャー)をとっていけば、「月収30万円・年収500万円」は稼げます。

収入については、当サイトの下記の記事で、深掘りをして解説してます。

こんな感じで、「介護のお仕事=稼げない仕事」ではありません。

普通に食べていけます。

あなたがもし、これでも収入が足りないと感じるとしたら、いまの生活費が高すぎるかも知れません。

たまに、

  • 生活費が高い・上げる=人生の勝ち組
  • 生活費を下げる=人生の負け組

と二極論で考える方がいますが、「生活費を下げる=生きるのが楽になる」かなと思います。

介護のお仕事をはじめる

ぐだぐだと書いていますが、まずは介護のお仕事を実際にやってみるのが一番だと思います。

なかには、「資格をとってから働きたい」という方もいますが、あなたの直近の目標は、「介護のお仕事で稼ぐこと」です。

悩んでる時間よりも、実際に働いた方がお金になります。

技術も磨かれるし、経験も積み上がります。

介護で必要な資格は、働きながらでもとれます。

介護のお仕事をしてる方の多くは、働きながら資格をとってる方がほとんどです。

あなただけが孤独に頑張るワケではありません。

安心してください。

働き口の探し方は、当サイトの下記の記事で、深掘りをして解説してます。

働きながら現場で学ぶ

色んな経験をされて来たあなたに、こんなことを言うのも失礼ですが、仕事に関わらず、実際に体験・経験したことから、多くのことを学んできたと思います。

もちろん、読書からの学びもあると思いますが、本当の学びは、行動・実践でしか、得ることはできません。

とくに、介護のお仕事は、人間が相手です。

感情のない「モノ」ではありません。

しかも、健康な人間ではなく、介護が必要な人間です。

本を読んだだけ、動画を見ただけ、研修で聞いただけで、習得できるスキルではありません。

色んな不安はあると思いますが、右も左もわからないけど、現場で先に技術を身につけてから、本・動画・研修で学んだ方が、圧倒的に成長が早いです。

実際に、福祉系の学校を出て、介護の現場で働いてる方より、無資格・未経験の方が、成長が早い傾向にあります。

知識がありすぎて、「本当はこうあるべきだ」という考え方が先行することで、体験そのものを受けつけにくくしています。

逆に、知識がなければ、目の前で起きてることがすべてなので、それを受け入れざるを得ません。

なので、無資格・未経験の方は、成長が早い傾向にあります。

あなたが「資格をとってから働きたい」と考えていたら、「とにかく現場で働きながら、いろいろ学んでいきましょう」と全力で背中を押したいです。

応援しています。

なにか不安なことがあれば、いつでも連絡をしてください

【初級編】介護のお仕事を無資格・未経験からはじめる

【初級編】介護のお仕事を無資格・未経験からはじめる
ここから先のお話は、あなたが無資格・未経験だけど、勇気をふりしぼって、介護のお仕事をはじめたという前提で、進めて行きます。

介護のお仕事をするうえで、一つ目の難関である実務者研修について、解説をしていきます。

実務者研修をうける

これからあなたは、介護の国家資格である「介護福祉士」の取得に向けて、歩みはじめます。

介護福祉士をとるには、「実務者研修」を受講し、介護のイロハを座学ベースで学ぶのが、必須条件になります。

メンドいですね。

実務者研修の大枠をざっくりまとめると、下記の内容になります。

  • 国家資格ではない(厚生労働省が認可してる民間資格)。
  • これを修了してないと介護福祉士が受験できない。
  • 研修時間はトータル450時間(だいたい6~8か月くらいで終わる)。
  • 受講料は10~20万円で幅がある。

実務者研修がどこで受けられるか、調べるときは、「実務者研修が受講できる養成施設の一覧(厚生労働省)」をご利用ください。

とはいえ、受講料が高いです。

でも、大丈夫です。

受講料の全額もしくは70%までを補助する仕組みがあります。

受講料の全額もしくは70%までを補助する仕組みは、当サイトの下記の記事で、深掘りをして解説してます。

ちなみに、介護のお仕事をはじめる初心者向けに「初任者研修」というものもあります。

初任者研修の大枠をざっくりまとめると、下記の内容になります。

  • 国家資格ではない(厚生労働省が認可してる民間資格)。
  • 初任者研修を受けても、介護福祉士は受験できない(受験資格の必須要件ではない)。
  • 研修時間はトータル130時間。
  • 介護業界でキャリアを積み上げていくときに、一番はじめに取得する資格。
  • 受講料は4~9万円で幅がある。

こんな感じです。

ただ、私の目線で初任者研修を考えると、初任者研修を受けるくらないなら、初任者研修は受けず、実務者研修の受講をおすすめします。

ちなみに、実務者研修は、「初任者研修を受けてないと、受講できない」ということはありません。

初任者研修よりも、実務者研修の方が、もっと深いレベルで介護のことを学べるし、なによりも、あなたの貴重な時間とお金を、余分に消耗しちゃうからです。

余計なお節介になりますが、実務者研修をおえたら、すぐ介護福祉士の受験勉強することを強くおすすめします。

1日あたり5分でも10分でもいいです。

実務者研修で学ぶ知識が、介護福祉士のベースになるからです。

実務者研修で脳みそがホカホカなうちに、脳みそを叩きまくった方が、より長い期間で記憶に残りやすくなります。

考え込まず、スムーズに記憶から取り出しやすくもなります。

なので、実務者研修で使ったテキストは、取っておいてください。

「よっしゃー!研修が終わったー!テキストを捨ててスッキリしよう!」って衝動は、頑張ってセーブしてください。

【中級編】介護のお仕事を無資格・未経験からはじめる

【中級編】介護のお仕事を無資格・未経験からはじめる
介護のお仕事を正職員で3年以上つづけたら、介護福祉士の受験資格がゲットできます。

介護福祉士をゲットすると、資格手当がつくので、お給料も増えます。

ここでは、介護のお仕事をするうえで、二つ目の難関である介護福祉士の国家試験について、解説をしていきます。

介護福祉士をとる

介護福祉士の受験資格をゲットする

働きながら頑張って、実務者研修をすべて終えたあなたは、いよいよ介護福祉士の受験に向けて、少しずつ準備をすすめることになります。

介護福祉士は受験して、合格しないともらえない資格なので、まずは受験資格が必要です。

無資格・未経験で介護のお仕事をスタートした方が、介護福祉士をとりにいく場合の受験資格の要件は、

  • 在職期間1095日
  • 実働日数540日

こんな感じです。

在職期間と実働日数といわれても、良くわからないと思うので、解説を加えると、

  • 在職期間 ⇒ 会社に在籍していた日数のこと(辞めた会社に在籍していた期間も含められる)
  • 実働日数 ⇒ 会社に在籍していた期間のなかで、出勤して働いた日数のこと(辞めた会社に在籍していた期間も含められる)

こういう考え方です。

介護福祉士の受験勉強をする

大嫌いな受験勉強の日々が、はじまります。

とはいえ、受験勉強もやり方さえマスターしてしまえば、怖がることはありません。

当サイトの下記の記事で、介護福祉士の受験勉強の方法を深掘りをして解説してます。

そうはいっても、ひとりぼっちで勉強を続けてたら、受験する前に心がポッキリ折れちゃいそうな方は、介護福祉士の受験対策講座もあったりします。

雇用保険を使えば、20%~50%割引で受講できるので、参考までにどうぞ(^-^)

昇格をめざす・じっくり働く・転職をする

ここまで積み上げてきたあなたは、大嫌いな受験勉強を乗り越えて、介護福祉士をゲットしています。

現場経験も3年をこえました。

介護福祉士さえ取得できれば、病気やケガで働けなくなる場合を除いて、食いっぱぐれる心配から解放されます。

ここまで辿りつけば、あなたは圧倒的な安心感を得ることができるでしょう。

ここから先は、介護業界のなかで、あなたが少しずつ高みを目指していくステージに入ります。

かっこいいですね。

いまの会社で昇格をめざす

「昇格」という選択肢です。

あなたは「介護を教わる側」にいましたが、いよいよ「介護を教える側」にうつります。

あなたが今いる会社が思い描いている「介護観」を、会社と一緒に実現していきます。

現場経験が3年をこえてくると、膨大な介護の知識と技術が、あなたのなかにインプットされています。

少しずつ、あなたのなかで「介護とはこうあるべきじゃないか」「こんな介護をやってみたい」という、ひとつの価値観が芽吹いてくるでしょう。

とても素晴らしいことです。

あなたと会社の「介護観」や、現場で実際にやってることに賛同できれば、「昇格」という選択肢があります。

いまの会社でじっくり働く

「じっくり働く」という選択肢です。

あなたが、まったく「昇格」に興味がなかったり、のんびりとマイペースに働ければいいと考えてる方に合った選択肢だと思います。

実際に、昇格の話がきても、マイペースを大切にしたいから、断っている方もいます。

たしかに、昇格は自分を成長させる貴重な機会です。

でも、身体的・精神的に自分が消耗していたら、身も蓋もありません。

すべての源は、あなたご自身です。

周囲の目は気にせず、慎重に選択しましょう。

いまの会社を辞めて別の現場に移る

三つ目が、「いまの会社を辞めて別の現場に移る」という選択肢です。

「無資格・未経験」だったあなたは、地道に努力を積み上げたことで、「介護福祉士を持ってて、現場経験3年」のあなたに成長しています。

介護業界で積み上げてきた、貴重な実績です。

ここまで辿り着くと、面接さえ受ければ、ほとんどの会社で、採用されるレベルになります。

無資格・未経験でお仕事を探してた頃よりも、職場探しが激しくラクになります。

あなたが、

  • もっとお給料のいい所で働きたい
  • 他の現場でも通用するか挑戦したい
  • 老人ホームから訪問介護・デイサービスに転向してみたい

このように考えてたら、興味・関心のある所へ、チャレンジしてみましょう。

当サイトの下記の記事で、介護系のおすすめの転職サイトをまとめています。

【上級編】介護のお仕事を無資格・未経験からはじめる

【上級編】介護のお仕事を無資格・未経験からはじめる
あなたがここへ到達する頃には、現場経験が5年をこえています。

現場経験が5年をこえてくると、かなり介護のイロハもつかめて、あなた自身が挑戦してみたいことが、いろいろ出てくると思います。

さらなる成長を目指す

介護業界では、現場経験が5年をこえたあとも、色んなキャリアの積み上げ方があります。

キャリアアップの方法や種類について、当サイトの下記の記事で解説しています。

介護支援専門員(ケアマネージャー)をとる

介護福祉士を取った日から5年以上働くと、介護支援専門員(ケアマネージャー)の受験資格がゲットできるので、さらに選択肢が増えます。

とはいえ、介護支援専門員(ケアマネージャー)がナニモノなのか気になりますよね。

次のお仕事をメインにやっています。

  • サポートするメインの対象者は、自宅で生活してる高齢者。
  • 介護保険で利用できるサービスをコーディネートする。
  • ケアプランを作成する。

制度的には、ケアマネのお仕事は色々あるので、「もっとあるわ!」とツッコミどころは満載ですが、ものすごくシンプルに、要点だけまとめるとこんな感じです。

介護現場では、オムツ交換やお風呂の介助をバリバリやってましたが、このようなお仕事から離れます。

メインのお仕事は、自宅で生活している高齢者や障害のある方が、できる限り自宅での生活を続けられるように、サポートすることです。

介護保険で使えるサービスをコーディネートしたり、お話し相手になってくれるボランティアさんを利用者さんに繋いだりと、色んな役割があります。

介護業界のなかでも、かなりハイレベルな領域に入ってきます。

利用者さんごとに、生活スタイルや思い描く幸せのカタチが違います。

似たようなケースはありますが、まったく同じケースはありません。

利用者さんごとに、支援しながらオーダーメイドで作り上げていくイメージです。

介護現場のお仕事を否定するつもりは毛頭ありませんが、介護現場で働いていたときとは違う、やりごたえのある領域です。


以上で、本記事はおわりです。

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あなたの介護士ライフを応援しています。

読んでいただき、ありがとうございました(^-^)