【一発合格】介護福祉士の勉強方法を徹底解説します
この記事ではこんなご相談にお答えします
実務者研修が終わったし、現場経験も3年こえたから介護福祉士を受験したい。
でも、試験科目が11コあるし、働きながらの勉強だから、時間もないしサクサクっと効率よく勉強したいけど、どう勉強したらいいかわかりません。そもそも、勉強が大嫌いだし苦手なので、一発合格できる気がしません。
どうせ一発合格した人は、もともと頭が良かったんだと思うし。何かいい方法があったら教えてください。
ご相談にお答えする私はこんなキャリアです
- 介護現場での実務経験は14年。
- 介護福祉士と社会福祉士を所有。
- 福祉系の大学出身(田園調布学園大学)。
- 福祉系の大学院出身(東京福祉大学大学院)。
- この記事で紹介する学習方法で、介護福祉士・社会福祉士・修士号(社会福祉学)を取得。
【介護福祉士の勉強方法①】正しい手順と方法で勉強する
いろんな介護福祉士の勉強方法が出回ってますね。もしかしたら、あなたは誤った情報を見聞きしてるかも知れないので、介護福祉士の勉強方法に関する誤解をといていきます。
“過去問題で勉強する”は効率が悪い
「過去問題集だけをやればいい」「過去問題を中心に勉強すればいい」って情報があります。これは、介護現場で実践と勉強を積み上げて、しっかり問題文と選択肢の意味が理解できる方に限った話です。
勉強に慣れてない方が、参考書も読まないで、いきなり過去問題で勉強をはじめても、「問題文・選択肢・回答の解説」が理解不能で、初日から心が折れます。わたしはお金をケチって、参考書を買わず、過去問題だけで勉強をして挫折した経験があるので、よくわかります。知識の土台がない状態で、過去問題で勉強しようとしたのが無謀でした。
まずは、お金をケチらず参考書を買って、参考書の内容をしっかり理解しましょう。介護福祉士が取れれば、資格手当ですぐ回収できます。
“参考書は少ない方がいい”は人それぞれ
「参考書は少ない方がいい」って情報があります。これは、あなたの知識量によって違います。
過去問題集にある解答の解説を、80%くらい理解できる知識量だったら、過去問題集だけでカバーできるかも知れないので、参考書すら不要かも知れません。
過去問題集にある解答の解説を、50%も理解できない知識量だったら、問題文・選択肢の理解がおぼつかないので、参考書を一式そろえることを強くおすすめします。下記の記事で、おすすめの参考書を紹介してるので、選書の参考にしてもらえたら幸いです。
ちなみに、私は介護福祉士の勉強をはじめたときに、過去問題集の解説が50%も理解できなかったので、参考書を片っ端から揃えて、ひたすら読み込んでから過去問題集に再チャレンジしました。
介護福祉士の勉強におススメなテキスト・問題集20選
この記事はこんな悩み・疑問にお答えします 実務者研修が終わったし、現場経験も3年こえたから、介護福祉士の受験勉強をはじめようと思ってる。参考書と過去問題集を揃えるために、Amazonで探すと色んなやつが出てくるから、どれがいいのか、よくわからない。 おすすめの参考書と過去問題集を教えてほしい。
1日あたりの勉強時間の目安はない
「1日あたり〇時間を勉強して、△か月やればいい」って情報があります。これは、あなたの集中力と勉強に費やせる時間によって違います。
勉強が習慣になってる方は、集中力が持続するので、長時間の勉強に慣れてます。勉強が習慣ではない方は、勉強そのものが苦痛なので、毎日10分やるだけでも大変だと思います。
勉強が習慣ではない方にとって、大切なことは次の三点です。
- 勉強する時間を掘り起こして、
- 勉強を習慣にし、
- 正しい手順と方法で勉強をすすめる
勉強が習慣ではない方、勉強に苦手意識が強い方ほど、知識の受け皿が浅くて、狭い可能性があるので、より多くの時間を投入して、じっくりと知識の受け皿を広げていく必要があります。
「1日あたり〇時間を勉強して、〇か月やればいい」って考え方は、勉強する人それぞれのポテンシャルや生活環境によって、まったく違います。気にしない方が健全です。
とはいえ、強いていうなら、「勉強が習慣ではない方・勉強に苦手意識が強い方」ほど、「勉強を習慣にすること・知識を理解すること」に時間をかけないといけません。わたしの経験則にはなりますが、最低でも試験当日から逆算して、6か月以上前から、毎日5分でもいいので、少しずつ勉強するのが、負担なく継続できるかなと思います。
私は勉強が死ぬほど大嫌いで、逃げ回って生きてきた人間でして、5分と集中力が持ちませんでした。ただ、習慣のチカラは第二の天性と言われるほど絶大でして、1日5分しかできなかった勉強が、6分・7分・8分…と伸び始めて、これを15年間積み上げ続けた結果、今では12時間勉強できるようになっています。
そもそも論で、“やる気”というものは存在しないので、”毎日21時に5分だけテキストを眺める”って感じで、勉強のキッカケをつくります。これを継続するだけで、自然と集中力が持続するようになってきます。
出題傾向は過去問をやってるうちにわかる
「出題傾向は知っておいた方がいい」って情報があります。もしかしたら、参考書を読む前に、出題傾向を知ろうと躍起になってる方がいるかも知れません。
これは、過去問を解き始めれば、勝手にわかってきますよ。
大丈夫です、安心してください。
過去問題集を解いてみるとわかりますが、繰り返し出てくるような問題や、似たような問題が出てくるので、それが出題傾向です。繰り返し出てくる問題や、似たような問題は、その関連領域も含めて、知識を強化しておけば、解けるようになります。
これは出題者側の思考ですが、試験には「〇か×」の白黒ハッキリした問題しか出せません。なので、用語の定義など人によって言ってることが違う、白黒がハッキリしない問題はまず出てきませし、出せません。
出題傾向を把握するコツは、「この知識は〇か×で聞かれたときに白黒ハッキリするか」を頭の片隅で問いかけながら取り組みます。覚える必要のない情報が断捨離されて、覚えなきゃいけない知識だけが浮かび上がってくるので、ムダの少ない勉強が可能になります。
最初は、何から手を付ければいいのかわからず、不安だと思います。出題傾向に時間を費やす必要は一切ありません。まずは、参考書を買って内容を完全に理解できるまで、しっかりと読み込みましょう。
総得点の60%がとれても合格するとは限らない
わたしは、2018年度の社会福祉士の試験で合格しました(総得点101点)。
2018年の合格基準点は、総得点150点に対して、過去最高点の99点(総得点比66%)でした。総得点60%は、目安にすらならないってことです。合格基準点が、一気に跳ね上がる可能性があるからです。
介護福祉士の試験問題125問で、60%(75点以上)が正解できてればいいと言われてますが、70%(88点以上)は取れるように勉強することを、強くおすすめします。多少のわからない問題を捨てようって考えは、控えましょう。
【独学orスクーリング】自分の性格に合う方法を考える
「スクーリング(通学)をしないと合格できないんじゃないか」と不安を抱えてる方が、いるかも知れません。
スクーリングの最大のメリットは、「質問・相談できる先生や仲間ができる」という点です。質問・相談のできる相手がいるということは、悩む時間が短縮されるので、勉強がはかどります。
でも、大切なことは、スクーリングに行ってるだけでは、合格できません。スクーリングで教わったことをベースに、過去問を解きまくらないと、知識は記憶に定着しません(リトリーバル・プラクティスってやつです)。あくまでも、介護福祉士の勉強は、独学・自主学習が基本です。この記事で紹介する勉強方法も、独学での学習をベースにしています。
スクーリングは、勉強を助ける補助的なツールでしかありません。「スクーリングに通う」という行為は、介護福祉士に合格するって目標を達成するための手段にすぎません。
とはいえ、
- 受験に必要な知識が、圧倒的に足りてない
- 知識の理解に、激しく時間がかかりそう
- ひとりぼっちで勉強を続けるのは、寂しいし、心が折れそう
こんな悩みを抱えてる方は、スクーリングを使うのもアリだと思います。
一方で、「通信教育」という選択肢もありますが、スクーリングのように、気軽に先生や仲間に聞くことはできませんが、自分から積極的に学んでいく自信のある方は、介護福祉士の試験勉強に特化した通信学習のプログラムが組まれてるので、独学よりも効率よく勉強をすすめることができるかもです。逆に、「独学・通信だとまったく集中できない」とお考えの方は、スクーリングがおすすめです。
参考までに、下記のサイトでは、介護福祉士の国家試験対策を通学・通信でやってるスクールの一括資料請求ができます。
≫シカトル
【介護福祉士の勉強方法②】Uプロセス学習理論を知る
介護福祉士の勉強方法にまつわる誤解を知ってもらったところで、いよいよ具体的な勉強方法を学んでいきます。
勉強が嫌いになったり、強い苦手意識を抱えてる原因の多くは、正しい勉強の方法・手順を知らないだけです。よくあるのが、間違った勉強方法であることに気づかないまま学習を続けて、思うような成果が出せなかったから、勉強が嫌い・苦手になってるだけです。もっといえば、「私なんかが勉強しても成果は出ない」と単に思い込んでるだけです。
ここで紹介する「Uプロセス学習理論」は、この思い込みを見事に取り去ってくれる画期的な方法です。
Uプロセス学習理論ってなに?
Uプロセス学習理論とは?
- 国内外の最新の学習研究を、組み合わせて開発した学習メソッド。
- 開発者は株式会社J-エデュケーションの寺田正嗣先生(@srr_terada)。
- 寺田先生ご自身は、もともと高校教師をされてて、現在は自己投資型の読書法や学習法を提供しながら、九州大学大学院の博士課程で研究中(教授ストラテジー論)。
インターネット上で胡散臭い学習法・勉強法を売ってる人がいますが、寺田先生のノウハウは本物です。
使った人は成果が出てるの?
Uプロセス学習理論を使って学習した方は、
- 定期テストで点数アップ
- TOEICで点数アップ
- 中小企業診断士に半年で合格
こんな成果をあげていますし、ほかにも成果を出した方が沢山います。成果の詳細は、寺田先生のサイトで解説してるので、是非こちらをご覧ください。
わたし自身は、介護福祉士と社会福祉士に合格してから、Uプロセス学習理論に出会いましたが、やってた学習法はUプロセス学習理論と同じ方法です。
Uプロセス学習理論の枠組み
Uプロセス学習理論の大枠を解説すると、下図のように考えます。
出典:【「資格試験は過去問中心に!」は本当か?──初めて挑戦する試験の正しい勉強法とは?】を改変
勉強は下記の順番に進めます。
- 概観フェーズ(図の左上)
- 精緻化フェーズ(図の左下)
- 結晶化フェーズ(図の右下)
- 仕上げフェーズ(図の右上)
各フェーズでは、それぞれの狙い・目的があるので、取り組むことが、まったく違います。この点を、頭の隅っこにおきつつ、読み進めてください。
【Seeing】概観フェーズ
概観フェーズの解説をはじめます。
この記事を読んでるあなたは、大嫌いな勉強に意を決して挑戦しようと思ってるけど、介護福祉士の試験科目が多いし、勉強のやり方・手順がわからず、心が折れかけてる状況じゃないかと思います。
ここからガッツリと解説していくので、頑張っていきましょう。
まず、新しい知識・技術を勉強するときの大前提として、知っておいて欲しいことがありまして、それが下記の三つのポイントです。
- これから新しく勉強する対象の全体像を把握して、
- 新しく勉強することについて、どんなことがわかってて、
- どんなことがわかってないのか(知らないのか)
この三つのポイントを介護福祉士の試験勉強に置き換えます。
- まずは、11科目すべての参考書に目を通して、
- それぞれの参考書に、どんなことが書かれていて、
- どんなことを覚えなきゃいけないのかを知って、
- どんなことがわかってて(理解できてて)、
- どんなことがわかってないのか(理解できてないのか)を知る。
試験で合格するために、どのくらい覚えることがあるのか、全体像を把握しつつ、現時点でのあなたの知識量(現在地)を知ることがファーストステップです。だからこそ、過去問題集を参考書として勉強をするのは、基本的におすすめしません。
問題をとくのに必要な知識の下地・土台・基礎が、穴だらけで、その穴も深ければ、過去問題集を参考書に勉強しても、解けるはずもなく、解説文の理解もままなりません。まずは、知識の穴を埋めることが、最優先課題です。
逆に、過去問題集を参考書に勉強して合格した方は、日頃からコツコツと勉強を積み上げて、問題を解くのに必要な知識の下地・土台・基礎が、しっかりしてます。知識の穴が少ないし、埋める穴も浅いので、過去問題集の解説を参考書にするくらいで、知識の穴が埋められます。
もちろん、過去問題集を参考書にして、勉強することを全否定するつもりは、まったくありません。
大切なことは、現時点で、あなた自身が自分の知識量(現在地)をしっかり把握したうえで、どんな手順・方法で勉強しなきゃいけないのかを知ることです。
【Sesing=Elaborating】精緻化フェーズ
精緻化フェーズです。あなたは概観フェーズで、この四つのポイントが把握できました。
- 参考書にどんなことが書かれていて、
- どんなことを覚えなきゃいけないのかを知って、
- どんなことがわかってて(理解できてて)、
- どんなことがわかってないのか(理解できてないのか)を知る。
概観フェーズの狙いは、「わかるところ」と「わからなかったところ」の棚卸しをして、「わからなかったところ」をあぶり出すことです。「わかるところ」は理解できてるので、勉強する必要がありません。ただ、これは私の失敗談で、「わからないところ」を勉強するより「わかるところ」に取り組んでる方が、理解できてるので勉強してる感や努力してる感が味わえて、感覚的に気持ちいいのでこれに時間を費やしちゃう場合があります。
これば完全に誤った勉強方法なのでやめましょう。
やるべきは「わからないところ」の徹底理解でして、ここに時間を集中投下します。それが、この精緻化フェーズでして、参考書を読んで「わからなかったところ」を、すべて「わかる」状態にもっていきます。
「わかる」状態に持ってく具体的な手順・方法は、下記の記事の「Uプロセス学習理論式テキスト5回繰り返し読み」のパートをご覧ください。寺田正嗣先生の記事ですが、とてもわかりやすく、丁寧に手順と方法を解説されています。
「資格試験は過去問中心に!」は本当か?──初めて挑戦する試験の正しい勉強法とは?
資格試験に限ったことではありませんが、いろいろな人が“これで大丈夫!的勉強法”を発表しています。でも、残念なことに、それをまねしてやってみたところで、なかなかうまくいかない。
ただ、注意して欲しいことが1点あり、精緻化フェーズは知識のインプットが狙いではありません。
知識をインプットした所で、数分後には忘れてます。これは人間の記憶の構造として、仕方ないことなので諦めましょう。あくまで、精緻化フェーズでやるべきことは、「わからないところ」を「わかるようにすること」です。覚えることではなく、理解することが狙いです。
日本の学校教育では、「勉強=覚えること・丸暗記」を崇拝してますが、これは大間違いのトンチンカンです。勉強の本質は、学んだことをあらゆる状況下で縦横無尽にアウトプットしつつ、自分なりのアレンジを加えながら、オリジナルのノウハウとして昇華させることです。
勉強の大前提はアウトプットです。インプットはアウトプットするための手段でしかないので、インプットにどれだけ時間をかけても、試験の点数はあがりません。
ただ、なるべくインプットは短時間で終わらせたいので、インプットのスピードを上げる考え方に「多チャンネル・時間差並行」というものがあります。
参考書のほかに動画・音声を使って、耳からも情報を仕入れて(多チャンネル)、新しい知識の勉強や復習を繰り返すことで(時間差並行)、インプットの速度を上げていきます。通勤・食事・家事など、集中して勉強できないときは、動画や音声で「やりながらインプット」をしていきます。
これは騙されたと思って是非やってみてください。1か月くらい継続すると効果が実感できます。
【Feed back⇒Crystalizing】結晶化フェーズ
結晶化フェーズです。
精緻化フェーズをクリアすると、参考書のすべての内容が理解できた状態になります。でも、参考書の理解は、インプット作業にすぎません。「どういうこと?」って思いますよね。
知識は人間の記憶構造から、アウトプットをしまくらないと、記憶として定着せず、自由自在・縦横無尽に、知識を引っ張り出すことができません。なので、結晶化フェーズでは、知識を記憶へ定着させることが目的になります。
介護福祉士の試験勉強でいうと、参考書の虫食い問題集と1問1答の過去問題集を使って、インプットした知識を、ひたすらアウトプットしまくります。
【Prototyping⇒Complete】仕上げフェーズ
仕上げフェーズは、本番と同じ環境で、自分にプレッシャーをかけつつ知識をアウトプットする練習です。
介護福祉士の試験勉強を例にすると、模擬問題集や模擬試験にチャレンジします。模擬問題集なら、試験本番と同じ形式の問題を、試験本番と同じ制限時間でチャレンジする。模擬試験なら、自宅以外の環境で問題をとく。
こんな感じで、試験本番に向けて、完璧なコンディションにもっていきます。
Uプロセス学習理論の無料解説動画があります
2014年の動画になりますが、寺田先生が解説動画を無料公開して下さっています。より深くUプロセス学習理論や学習法を学びたい方は、是非ご覧ください。
【解説動画①】
【解説動画②】
【解説動画③】
【解説動画④】
【解説動画⑤】
【介護福祉士の勉強方法③】Uプロセス学習理論を使う
でも、正しい勉強方法を知ってるだけでは、介護福祉士には一発合格できません。Uプロセス学習理論を使って、学習を進めなければ、一発合格につながりません。知ったことで、満足したらダメです。絶対に使って学習を進めてください。なので、この章では、Uプロセス学習理論を使った介護福祉士の勉強の手順・方法を、解説しています。
【STEP①】前年度の過去問を解いて実力を知る
前年度の介護福祉士の過去問題を、試験本番と同じ制限時間でときます。
前年度の過去問題にチャレンジして、あなたが何点取れるか、現在地を把握します。0点だったとしても、まったく悲観することはありません。知識が穴だらけっていう現状を、知ることができたので、大きな収穫です。
ちなみに、前年度の過去問題は、社会福祉振興・試験センターのホームページに掲載されてるので、印刷して解いてみましょう。
スマホのアプリでも過去問にチャレンジすることはできますが、印刷して紙の問題文で解くことをおすすめします。スマホよりも紙の方が、視覚的に文字を認識しやすいからです。
【STEP②】参考書を買う
前年度の介護福祉士の過去問題にチャレンジして、あなたの現状がわかった所で、いよいよ参考書を買います。もし、あなたが過去問題の点数が40点未満なら、下記の記事で紹介してる、すべての参考書を揃えておきましょう。
介護福祉士の勉強におススメなテキスト・問題集20選
この記事はこんな悩み・疑問にお答えします 実務者研修が終わったし、現場経験も3年こえたから、介護福祉士の受験勉強をはじめようと思ってる。参考書と過去問題集を揃えるために、Amazonで探すと色んなやつが出てくるから、どれがいいのか、よくわからない。 おすすめの参考書と過去問題集を教えてほしい。
【STEP③】”わからない”と”わかる”を知る
参考書の準備ができたら、気負わず、軽い気持ちで、参考書に目を通します。
覚えることが11科目もあって、参考書もそれなりに分厚いので、まずは、その分厚さに自分を慣らしつつ、大量の文字に目をなじませつつ、「こんな感じのことが書かれてるのかぁ」って感じで読んでいきます。
読み方としては、次の通りです。
「”人間の理解”をやりながら、”社会の理解”もやる」のは辞めましょう。マルチタスクは集中力を下げるので、勉強の効果が悪くなります。
ここで大切なことは、熟読厳禁です。これから勉強する知識の全体像や大枠が理解できていない、知識の受け皿がまったくない状態で、参考書を熟読しても、記憶には残りません。
ここでの目的は、参考書に書かれてる知識の正確な理解ではなく、それぞれの参考書にどんなことが書かれてるのか、ざっくりと把握することです。
【STEP④】復習をしながら”わからない”を減らす
STEP④では、わからないことを把握して、わからないことを減らしていきます。具体的な手順・方法は、繰り返しになりますが、下記の記事の「Uプロセス学習理論式テキスト5回繰り返し読み」のパートを参考に取り組みましょう。
「資格試験は過去問中心に!」は本当か?──初めて挑戦する試験の正しい勉強法とは?
資格試験に限ったことではありませんが、いろいろな人が“これで大丈夫!的勉強法”を発表しています。でも、残念なことに、それをまねしてやってみたところで、なかなかうまくいかない。
「介護福祉士養成講座」の「人間の理解」を読み終えたら、「介護福祉士養成講座」の「社会の理解」という順番で、1科目ずつ取り組む流れを守りつつ、上記の記事で書かれている作業をこなしていきます。
なお、繰り返し読みの1回目は、STEP③で済ませているので、STEP④では、2回目の「分かる程度に読む」という作業からはじめていきます。とはいえ、STEP④からは、わからないことが続出しまくるはずです。
わからない所は、下記の方法を使いつつ、気合いで乗り切りましょう。こればっかりは精神論で乗り切るしかありません。
- 会社の同僚・先輩・上司に聞く。
- Googleで検索する。
- YouTubeで解説動画を見る。
そうはいっても、理解できなくて、時間だけ消耗して、理解できな自分に萎えて、やる気が失せてしまうこともあります。理解できずに悩むことは、自己否定や自己肯定感を下げる原因になるので要注意です。このような場合は、スクーリングを利用するのも一つの手段です。わからない所を聞ける相手がいるので、悩む時間も短縮できるし、大きくつまずくこともないので、勉強のモチベーションが維持しやすいです。
ただ、スクーリングはお金が掛かってしまうのが難点ですが、雇用保険の教育訓練給付金を使うと格安でスクーリングが受講できます。
【STEP⑤】1問1答の過去問集に挑戦する
STEP④までは、知識を理解する作業なので、学んだ知識が記憶に定着してるわけではありません。むしろ、ほとんど忘れてます。
忘れること自体は、まったく問題ないので、気にしないで下さい。知識は思い出すほど記憶に定着しやすくなるので、ひたすら思い出してアウトプットするしかありません。なので、STEP⑤からは、ひたすらアウトプットしまくります。間違えた所やわからない所はあっても、STEP④までの積み上げがあるので、11科目のすべての参考書を理解できています。安心して取り組んでください。
参考書の虫食い問題にチャレンジ
参考書の重要語句・キーワードをチェックペンで消して、参考書を知識のアウトプット用の虫食い問題集として使います。
赤文字を赤色の下敷きで隠すと、文字が消えるやつがありますよね。それにチャレンジします。
参考書の虫食い問題で、すべての重要語句・キーワードが思い出せるようになったら、次は1問1答の問題集に進みます。
ちなみに、チェックペンを使ったことがない方は、「ゼブラの暗記用チェックペン+α (青)」が使いやすいです。
【チェックペンと赤シートのセット】
【チェックペン10本セット(大量に消費する方向け)】
1問1答の過去問題集にチャレンジ
1問1答の過去問題集では、体当たりで問題をときまくります。
所要時間は、1問あたり1秒です。解けない問題で、考えこむのは絶対にやめてください。わからない問題があったら、チェックをつけてすぐに回答を確認します。1問1答をサクサクやってくなかで、何度も間違えて、たくさんチェックがつく問題が出てくると思います。
そのときにはじめて、「なぜ間違えたのか」を考えます。「問題文の意図(どういった知識について聞かれてるのか)」と「間違えた原因」を考えます。原因を探ることで、どのあたりの知識が弱いのか、知識の穴が見つかります。
間違えた問題を見直すときに、間違えた問題の知識だけを見直すだけじゃなくて、その知識に関連する分野の知識も、しっかり理解できてるかも一緒に確認しましょう。たぶん、理解できてない可能性があるので、そこは参考書にもどって、理解できるまで、徹底的に復習をしましょう。
最初のうちは、インプットしたことが、思うようにアウトプットできず、ボロボロすぎてへこむと思いますが、気にしないでください。ひたすらアウトプットしまくって、間違えた所を復習しながら、最終的に1問1答の問題集で全問正解できるようになれば、オッケーです。
ちなみに、これは私の経験談ですが、1問1答の問題集をやりつつ、間違えた場所の再確認を繰り返したことで、介護福祉士と社会福祉士に合格できました。1問1答の問題集をやっていなかったら、記憶が強化されなかったので、合格できなかったと思います。
【STEP⑥】本番と同じ環境で過去問をやる
STEP⑤の1問1答の問題集までこなしきったあなたは、かなりいい感じに仕上がりはじめてます。
ここまで頑張ったあなた自身を全力で褒めてあげましょう。でも、油断は禁物です。まだ気を抜かないでください。
STEP⑥では、さらにアウトプットをたたみかけて、記憶を強化していきます。
ここで使うのが、本番試験と同じ5者択一の問題集です。なぜ、ここで5者択一の問題集なのかというと、アウトプットし慣れてない状態で挑戦しても、問題文や選択肢の意味を理解するのに、激しく時間を消耗するからです。理解できないだけならいいんですが、理解できなさ過ぎると、デキない自分に萎えて、やる気が一気に失せる可能性があります。
そして、ある程度の知識がついてくると、問題文や選択肢から答えを絞れたり類推できたりするから、やま勘で解けちゃったりします。仮に、やま勘で解いても正解しても、正解した選択肢の知識を、あなたが正確に理解できてなければ、意味がありません。別の科目で同じ選択肢を出されたとして、その選択肢が、正解か不正解かを判別できない可能性があります。
だから、勉強がそれなりに仕上がってきた、このタイミングで5者択一の問題集をやります。
取り組み方はシンプルで、試験本番と同じ制限時間で、5者択一の過去問題をとくだけです。とはいえ、STEP⑤でやった1問1答の問題集が、過去問題のよせ集めなので、サクサクっとイケちゃうかも知れません。スムーズにとけたら、それだけあなたの知識が盤石な状態になっている証拠です。
【STEP⑦】模擬問題集・模擬試験で練習試合をする
STEP⑥で取り組んでもらったのは、介護福祉士の試験当日に出された過去問題です。
STEP⑦では、さらに仕上げの精度を上げるために、模擬問題集と模擬試験にチャレンジしましょう。模擬問題集のやり方は、試験本番と同じ制限時間で、問題をとくだけです。
模擬試験は、申し込みをして開催場所へ移動して、問題をとくだけです。試験当日を試合本番にたとえたら、模擬試験は練習試合です。練習試合で、あなたの実力を存分に発揮しましょう。
ここまでで、勉強の仕上がり具合がいいと、最高の肩慣らしになると思います。ただし、ここで大切なことは、これまで積み上げてきた努力を過信せず、模擬問題集で間違えた所は、関連する領域も含めて、しっかり復習しておきましょう。着実に積み上げさえすれば、一発合格は可能です。
【介護福祉士の勉強方法④】勉強スケジュールを組み立てる
介護福祉士の勉強方法を知っても、とにかく勉強を始めなければ、一発合格には近づけません。ここでは、1日単位の勉強スケジュールの組み立て方をお伝えします。
試験日当日までに何日あるか把握する
試験当日までに、「どのくらいの日数を勉強にあてられるか」を把握しましょう。具体的な日数がわかれば、「いつまでに、どんなことを終わらせなきゃいけないのか」が逆算できます。
たとえば、実務者研修が2020年6月30日に終わったとします。試験日当日は2021年1月末なので、だいたい6か月あります。そこから逆算して、ざっくりと考えてみましょう。
2020年7月1~2020年7月31日まで(所要期間:1か月)
Uプロセス学習理論だと、左上のフェーズです。すべての参考書に目を通します。
参考書を読むときに、熟読は厳禁です。
初期段階の作業になりますが、読書になれてない方にとっては、かなりシンドイ作業だと思います。まずは、すべての参考書に目を通すことが大切です。
2020年8月1日~2020年10月31日まで(所要期間:2か月)
Uプロセス学習理論だと、左下のフェーズです。
「わかるところ」と「わからないところ」の仕分けて、「わからなかったところ」を徹底的に理解することに、全力を注ぎます。
2020年10月1日~2020年12月31日まで(所要期間:3か月)
Uプロセス学習理論だと、右下のフェーズです。
すべての参考書で、あなたは「わからないところ」が完全になくなってるはずです。ここからは、参考書の虫食い問題と1問1答の過去問題集にチャレンジして、ひたすらこれまでの学びを、アウトプットしまくります。1問1秒ペースで解いていきます。
解けなかったら、解けなかったことをチェックして、解答を確認し、先に進みます。虫食い問題と1問1答で間違えずに答えられるようになったら、試験本番と同じ形式の5者択一の問題集や、模擬問題集、模擬試験にチャレンジしてみましょう。
直近1か月(4週間)でどこまで進めるかを考える
それぞれの期間で、どんなことをやるのか、大枠が決まれば、1か月あたり4週間あるので、1週間でどこまで進めるかを考えます。1週間で進める勉強量を決めたら、1日単位でどこまで勉強を進めるか決めるだけです。
とはいえ、勉強をするにも、時間を確保しなければなりませんし、これまでの生活習慣を見直さなきゃいけません。
1日の流れを把握する
1日単位でのスケジュールの見直し方を、お伝えします。
この記事を読んでるあなたは、もちろん介護現場で働いてると思うので、シフト勤務で生活を組み立ててると思います。
新しいことに挑戦するとき、早番・日勤・遅番・夜勤があるシフト勤務は、始業時間と終業時間が毎日バラバラなので、かなり時間を意識して動かないと、休日以外での勉強時間を掘り起こすのは厳しいです。
曜日固定で休日があって、始業時間と終業時間も毎日同じだったら、生活のルーティーンも組み立てやすいですからね。
どちらにしても、勉強する時間を掘り起こすには、まず時間を意識して日々の生活を組み直すことが大切です。
1日の”やってること”の所要時間を把握する
新しいことに挑戦するときは、かならず勉強・練習・作業する時間を工面しなければなりません。
あなたにとって難易度が高いものほど、努力に費やす時間を工面しなきゃいけないので、これまでの生活習慣を見直す必要があります。人との付き合い方も見直す必要があるかも知れません。
まずは、あなたが高齢者施設に勤務してると仮定して、出勤日(早番・日勤・遅番・夜勤)と休日で、どのように過ごしているかを把握しましょう。
把握していくのは、下記の通りです。
時間が把握できたら、それぞれの時間で、どんなことをしてるか、正直に書き出してみましょう。たとえば、こんなことをしてませんか?
- 起きてからスマホをダラダラいじる。
- テレビやスマホに気を取られて、食事の時間が長い。
- 通勤時間にスマホでゲームする。
- 寝る前にテレビやスマホを見てる。
- 用もないのに電話をする。
- 友人と頻繁に外食をする。
これらの時間から削れるものを徹底的に削ります。何を削れるか、どの時間を短縮できるか、意識して無駄を削っていかないと、本当に勉強する時間は作れません。
1日の流れを組み直す
これまでの生活習慣のムダを徹底的に排除したら、いよいよ1日の流れを組み直します。
シフト勤務で働いてる方でも、本気で生活習慣を組み直せば、1日2時間・休日6時間は、勉強時間を確保できると思います。ちなみにですが、シフト勤務でも、起床時間と就寝時間を完全固定にすると、1日のルーティーンが定まりやすいです。
参考までに、私は夜勤だろうが午前5時30分に起きて、夜勤以外の日は22時30分に寝てます。
省けること・お願いできることを探す
もしかしたら、すでに生活習慣の無駄を省きまくったうえで、勉強する時間が工面できないって方もいると思います。
こんな時は、下記のような方法で、「時間を買う」もしくは「協力者を探す」って手段を使います。
- 勉強する時間だけ、託児所で子どもをみててもらう
- 勉強する時間だけ、あなたの家族に子どもをみててもらう
- 料理の時間がもったいないから、食事は外食で済ませる(ついでに外食先で勉強もしちゃう)
家族などに協力をお願いするときは、かならずお礼は忘れずにやってください。お互いの信頼関係にヒビが入りかねません。
参考までに、私の場合は、現在は読書・研究・ブログ執筆に全力を注いでます。作業時間を確保するために、趣味の時間を絶ったり、プライベートでの友人との付き合いを減らしました。
いずれにしても、介護福祉士の一発合格を目指すなら、勉強を軸にした生活に組み直す必要があります。大変だけど、そこまでの気合いを入れないと、勉強する時間は確保できません。
勉強を習慣にするコツ
「毎日同じ時間に取り組むこと」です。これしかありません。グチりながらも、1日も休まず、粛々と3か月続けます。そうすれば、勝手に習慣化していきます。
でも、ハードルの高すぎる行為をやっても、心が折れやすくなるだけなので、「毎日〇時~〇時は参考書を読む(しんどければ分刻みでも可)」と、続けられるレベルでやってみましょう。
ということで、おわりです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました(^-^)
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